About Anthony Wong

黄耀明と巡る魅惑の宇宙

A Fan's Opinion 香港人ファンに黄耀明のことを聞きました

(2018年の私より: 北米での黄耀明情報や、張亞東、盧巧音の音楽を紹介してくれたWさんに感謝して再録)

 

ある日、私の頭に浮かんだ素朴な疑問。「黄耀明は、はたして本当に人気があるのか?」 ベテランであることは間違いないけど、曲はそこそこ売れてるみたいだけど、雑誌「音楽殖民地」の人気投票ではダントツ人気だけど、それってやっぱり「マニア受け」ってやつなんじゃ…?

そこで、香港人の黄耀明ファンにメールでインタビューしてみました。答えてくれたのは現在アメリカ在住のWさん。お気に入り明星は黄耀明、林海峰、陳奕迅、王菲、それにクランベリーズと日本のバンドいっぱい!とのことです。ではさっそく質問にいってみよーっ! 

 

Q1.アンソニーは香港で本当に人気があるの?(いきなり直球)

A1.まず最初に…香港のエンタティンメント業界はとても奇妙なもので、今日まで生き残ってきた良質な音楽や真の才能はそれとは全く別種のものです。アンソニーやビヨンドをはじめ、本当に才能のあるソングライターやシンガーは音楽をやっている人々に尊敬されています。その意味では人気があると言えるでしょう。でも普通の人はそんなことには関心がないんです。彼らはテレビで見栄えのするアイドルを見たいと思ってるだけだから。
 
Q2..もしあなたがアンソニーのコンサートを見たことがあれば、感想を聞かせて下さい。

A2.私はまだアンソニーを生で見たことがないんです。でもビデオやLDで見た印象はいい感じですね。全体的なコンサートの雰囲気もとっても感動的です。ステージでの彼は、完全に音楽の中に、彼自身の世界へと入り込んでいるように見えます。私は彼のそういうところが本当に大好きです。
 
Q3.私が知る限り、日本でのアンソニーのファンは20代後半以上の人が多いんですが、香港ではどうですか?

A3.彼のファンの中で20代後半から30代前半くらいの人々が占める割合は大きいですね。香港では若い子たちの多くはそれほど音楽に興味を持っていません。彼らが求めているのはアイドル。テレビ番組でくだらないゲームをやったりするようなアイドルです。それから、アンソニーの歌のメッセージは10代をターゲットにしているわけではないと思います。彼の曲の多くは十分に練り上げられたコンセプトがあって…ときどき理解するのが大変ですから。
 
Q4.香港の人々は彼をどんなふうに評価しているのですか?

A4.ほとんどの人は彼の名前は聞いたことがあっても、音楽については知らないんじゃないでしょうか。彼はヒットチャートのトップになるような曲をいくつか持っているけど、香港には彼の曲のタイトルを一つも知らないという人もたくさんいるでしょう。私の個人的な意見ですが、彼のスタイルはPopとAlternativeの中間にあると思います。これからもその絶妙なバランスを保っていってほしいです。
 

……やはりマニア受けか?黄耀明。しかしヒット曲も出せる彼はテレビにもばんばん出るし、いわゆるゲイノー的な活動もなさってますし。完璧に欧米のロックスターそのものではないところが日本のファンにとっては新鮮な魅力として映るのではないか、と私は思っております。香港でしか生まれ得なかった個性というか。もし黄耀明がイギリスに生まれていて、成功していたら「イギリスは税金も高いし政治も最悪だね」とか言ってLAに豪邸買うようなありきたりなミュージシャンになってた…とは想像したくないっスね。やはり彼が香港に生を受けたことは天の思し召しでごさいましょうか。

(2018年の私より:「マニア受け」連呼してるけど、紅體育館で演唱會できるんだからどう考えても大メジャーですわな。ファンの年齢層については、日本において香港芸能のファン自体が高めだったから、特筆することでもなし。若いころに様々なエンタメに触れてきた人が、大人になって新たな楽しみの扉を開いた、という事ですね。香港に行くようになってからは、若いファンも多いということを実感しました)